ゆず [柚&わたし]
今日は愛犬柚の1周忌。
2015年6月2日、柚は亡くなりました。17歳と一か月。
亡くなるまでの半年間は毎日が闘病生活で、後半は過酷になるばかりでした。
鼻腔内腫瘍というガンで、治ることは望めず、残された命の時間をいかに過ごすか。
16歳の高齢とはとても思えないほど元気だった柚が、そんな訳の分からない病魔に侵された。
手の施しようがないほど、脳に浸潤していて、、、それでも放射線の治療、鍼、化学療法と、
治療を受けることができたのは幸せだった。かかわってくれたお医者さんたちはみんなみんな柚をしっかり診てくれた。
柚は目も見えなくなり、歩けなくなり、、それでも、毎日私と一緒にお店に出勤し、トイレは最後まで自分の意思で行っていた。おむつも買ったけど、ほぼ必要としなかった。
ほとんど寝たきりであっても、そんな柚との生活がそう悪いものでもなく、なんていうか、穏やかな日々だったと思う。
穏やかな時はいいのだけれど、やはり脳へ行ってしまった病気は。。。過酷でつらい。
柚自身も自分の意思と反して体がいうこと聞かず、、それが発作のようなものだったり、徘徊だったり。
たまに起こるパニックみたいなものは、私も耐え難かった。
寝ても熟睡しない、そんな柚と一緒にいたわたしも半年間寝不足で、床で一緒に寝ていた。
柚を亡くしてからも夜中に何度か目を覚ます癖が抜けなかった。今も一回目が覚めちゃう。
一つを乗り越えると、また次の試練。 状態は確実に悪い方に向かっていく日々で。。
柚の意思。 一番尊重しなくてはいけないこと。
言葉発しない柚の気持ちを汲み取るのが私の役目であり。
半年間、治療を続け、最後は、もうどうすることも、小さな希望さえ持つことができなくなる時が来てしまった。そして。。
「安楽死」という辛い決断をしなくてはならなかった。
飼い主である私。 こんなきつい決断をもしなくてはならないのかと、自分の人生を呪いたくなった。
でも、事態はもう待ってくれない。柚がつらく苦しい思いをするのを長引かせるわけにはいかない。
お別れの時がきた。
柚と私の。
主治医である池尻大橋の先生。 全信頼を寄せていた先生。
彼女にお任せし、指定された時間に病院に行き、
先生は柚との短い間の思い出話をしてくれ、私と柚の話を聞いてくれ、そして、その先生は。。。
涙を流しながら、柚の心臓を止めました。ほんとうに、泣きながら。。
処置室に入ったときにはもう、柚は気を失っていたから。。。だから、心臓が止まっても何ら変わらない感じで。
柚は眠ったまま、心臓と息が止まりました。私たちに撫でられながら、よしよしされながら。。
静かにその時が終わった。
そのあと、先生が柚を私に返してくれるまで1時間近くの時間が過ぎた。
そして先生が抱っこして連れてきた、真っ白いおクルミに包まれた柚をみた私たちは驚きました。
本当にかわいく生まれ変わっていた。
まるで、パピーの頃の柚みたいだった。かわいらしリボン付けて、サラサラに毛並みにいい匂い。
そして、腫瘍で飛び出てしまった右目もまるで普通に目をつぶっているかのように処置してくれていた。
先生は亡くなった柚に外科的処置まで施してくれていた。本来の柚に戻すために。。。
「この子、本当はとってもかわいいんですもんね」 涙で真っ赤になった目で愛おしそうに柚を抱っこしている先生。
こんな先生に診てもらっていたんだ。柚と私は。あぁ、なんて幸せなんだろう。。
真っ白いおくるみに包んだ柚と、花束をくださった先生。
病院を出るときは何とも笑顔になったのをすごく覚えている。あの時も今日みたいに本当にいい天気で。。
かわいい柚を戻してくれて、またかわいらしい柚に会わせてくれて。。。うれしくてたまらなかった。
リボン付けた柚。 最後の柚と一晩過ごして、柚を見送りました。
幸せだった柚。 最後の瞬間まで自身の意思を貫き通し、私に「安楽死」の決断をさせた柚。
「じゅんちゃんならできるよね。お願いね。」 そういわれたみたいだ。
でも、こうやって帰ってきた柚をみて、すべてを納得しました。こんなにきれいに戻ってくるなんて、
医師じゃないとできない。。 見えない縫合までされて、病気じゃなかったみたいな顔に戻って。。。。
「安楽死」ってすごく怖くて、一番選択したくないことだったのに。。。。でも、これでよかった、いや、これじゃなきゃいけなかった理由が分かった。
「柚はかわいい自分に戻りたかったんだ。リボンまでつけちゃって」 みんなで大笑い。
柚らしい。 やっぱ自分自分よね、あんた。 (≧∇≦)b
そして、何より、最後にかわいい自分を私に見せるため。。。私を喜ばせるためだったんだよね。 柚め。
最後の瞬間まで頑張ったのは、私を喜ばせるため。私に笑ってもらえるため。。。私思いの柚。
しっかり者の柚、あっぱれな柚。
こんなに笑った一年後のあたしを想像していたのかな、柚は。私は想像していなかったよ。
柚が逝って、あんなにきつい時間はなかった。きついとか、寂しいとか、そんな言葉では表せない、そんなもんじゃない日々。
最愛の人を亡くした経験がある私でさえ、柚の死の痛みはそれを超えた。超えるなんて思わなかったけど、そうだった。
苦しかった。
でも、いま、柚からのおくりもののラスクとこんな風に笑って毎日楽しく暮らしてる。
命日の今日、寂しくないようにラスクが私の隣にいるよ。柚。
ぜんぶぜんぶ、柚の思い通りだよ。むかしからず~っと、これからも。