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馬鹿なわたし [ラスク&わたし]

数日前の朝、とんでもないことが起こりました。
ラスクのリードを左手に、自転車を押しながら一緒に歩いていました。
ラスクはどっかのにおいを嗅いだり、引っ張ったりしなくて、私より一歩後ろをまっすぐすたすたと歩く。
トイレも外ではせず、自宅かお店でやる。
私が止まらない限り止まらないんだけど、不意打ちに荷物を積んだ台車や、赤ちゃんのカート、スーツケースが後ろを通ると異常にびっくりして飛び上がる勢いで逃げようとする。
だから交差点ではリードをしっかり握る。 
 
その朝、お店に来る途中、信号のない駒沢通りの交差点を左右見ながら小走りで渡った。
そこから数百メートル進んだところで気が付いた。
「リードがない。」
「!!」
今歩いてきたまっすぐな駒沢通り。振り返ってもずっと先まで見ても、ラスクの姿がない。
どこかの道を曲がってうろついているんだろうか。。。
すぐに今来た道を戻り「ラスク!!」「ラスクー!!」と呼ぶが、出てこない。
どの道にも、どこにもラスクがいない。
さっき渡った駒沢通りの 交差点。車が渋滞になって何人もの人が集まってる。。みたいだ。。
 
「どうしよう。。。。」
 
その交差点に早歩きで近づく。
あぁ、どうしよう、どうしよう、、、ちょっとした人だかりになってる。。。。
 
こういうときって、ダッシュできないんですね。
なんかちょっとした諦めみたいな、怖いものを見に行くみたいな。。。
最悪な事態が頭にちらつく。 
 
 
「どうしよう。。。。」 
 
「何てことしてしまったの。。。。」
 
泣くに泣けない気持ちで交差点にいくと、
「あ!飼い主さん??」と声をかける男性。
見ると、向こう岸に違う男性がラスクのリードをもってしゃがんでる。
きょろきょろした元気なラスクと。
「あぁ、、、、ラスクだ」
 
「よかった、よかった、飼い主さんいた~ 」
「よかった、いたみたい」「よかったよかった」
そんな声があちらからこちらから、、、
皆さん私の登場に散らばっていく。。。
 
はやる気持ちを抑えて、動き出した車が途切れるのを待って、向こうに渡る。
「らすく~!!」
ラスクを保護してくれていたその男性は安堵の表情で「渡ろうかどうしようか迷っていたみたいで、、、困っていたみたい」とラスクのことを。
「あぁ、ありがとうございます。ありがとうございます。どうしましょう、、、あぁ、本当にありがとうございます。」心臓がどきどきした。
 
そんなラスクは私をみて興奮することもなく、いたって普通。
私がいなくなったとは思っていなかったようだ。
いつものように私を待っていただけ。だから追ってこなかったし、戻ってきた私を確認しても、落ち着いた感じで静かにしていた。
馬鹿な私は、交差点を渡るとき、うっかりリードを手放してしまったようだ。厚手のコートと手袋でその感覚が分からなかった。
リードが私の手から離されたラスクはそのまま止まって、小走りに渡っていく私を追うこともせず、パニックにもならず、私が戻るのを待っていたのだ。少しだけ不安な気持ちで。
 
ラスクを保護してくれた人含め、何人かは反対車線の車で、ラスクを見つけて止まってくれて、交通をストップしてくれたようだった。よくぞ、よくぞ、、、、、、
それを見ていた人たちもその場を離れずにことの成り行きを見てくれていたようで、、、5分間くらいの出来事だったと思うが、なんてことだろう。
いい人たちが助けてくれたおかげ、ラスクが怖がるカートや台車が通らなかったおかげ、誰かがラスクを連れて行かなかったおかげ、ラスクが保護してくれた人を怖がらずに従ってくれたおかげ。
ラッキーが重なって最悪にならずに済んだ。
 
怖かった。ラスクと再び歩き出してから、すごく怖くなった。
動悸と冷や汗が出てきた。 私は何をやっているんだろう。なんて馬鹿なんだろう。
ラスクまで失うなんて絶対に嫌だって、そんなの地獄だって、心底怖くなった。
 
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その日の夕方、店内から外で庭仕事をしている私をず~っと見ていたラスク。
手離したくないこんな日常は、幸運の上に成り立っているんだろうな。。。
ごめんよ。ラスク。しっかりしてなくてごめん。
私を信頼して待っていてくれて本当にありがとう。 
でかした。えらいぞ、ラスクよぉ~。 
 
しかし、いつの間にこんなに信頼してもらえるようになったんだろう。
一緒に暮らして4か月。日々一緒にいるうちに、「この人は絶対自分から離れない」そんな自信がついてきたんだろうか。
途中飛行機に乗せたり、人の家に泊まらせたり、それもよかったんじゃなかろうか。
この人は必ず自分をを迎えに来るって、安心してしていいんだって、確信してくれるようになったんだろうか。
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いつものコーヒー屋さんでね。楽しい散歩。
 
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焙煎待ちなう。