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放射線治療 [柚&わたし]

愛犬柚の治療。ここ一月は週に3回、違う病院へ通うという過密スケジュール。そのひとつの大学病院での全4回の放射線治療が本日終了しました。

やっと終わった。一回目が終わったとき、あと三回もあるのかぁと気が重くなったものでしたが。現在の本音はうれしいよりも、実は不安でもアリ。治療が終わっちゃったわけですから。

毎週の全身麻酔にも懸念していた体の支障もなく、食欲も一向に衰えず、どちらかというとどんどん元気になっていく。さすがである、柚。

大学病院での初日の診断は最悪のものでした。

目の出っ張り、目の奥だけの腫瘍が問題だと思っていた。しかし、CTの診断結果、すごい範囲で脳に広がっていました。

病名は「鼻腔内腫瘍」。

鼻の奥にできた悪性腫瘍が目の奥に行き、ついには脳まで浸潤してしまっている状態。それも悪性度が極めて高い悪いケースとのこと。「いつの間に」、「いつから」、「何で」。予想もしていなかった診断結果に愕然とし、「治すことはできない」という現実に呆然と待合室で座ってしまいました。帰りの電車でも人目も気にする気力もなく、どんどん涙があふれ出てくる。

つらい、つらい、つらい。

でも、それでも、柚は元気だった。そんなものが脳にあるとは思えないほどに。よし、治らなくっても良い、現状より悪くならなければそれでいいんだ。って無理やりにでも気持ちを切り替えました。

けれど、毎週やっている放射線治療も、目に見えるほどの成果を確認できず、「現状のままでいい」と決めたくせに、目に見えてよくなっていない柚を見ると、怖くて泣けてくる。情緒不安定。

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大学病院の待合室での柚。

広い大学構内にある病院。ここに来るのが、不思議といやじゃなかった。いや、どちらかというと、ここにくるのは好きだったかも。気持ちのいい空気と、やさしい受付の女性。信頼できる人のよさそうな担当の先生。

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4度目、最終日の本日。柚の目がなんだか悪そうに。右の黒目がほとんどなくって、白目が赤い。ここ数日そのことがずっと気になっていた。

1時半からの治療。遅れちゃいけないと毎度早くに到着しちゃう。すぐに先生が待合室まで来ていろいろと話を聞いてくださる。不安の気持ちに真摯にこたえてくれる。「1時半に麻酔医が来ますから、それまで柚ちゃんと一緒にいてください。あとでまた迎えに来ますね」と立ち去る先生。

そして、4時。診察室に呼ばれ、一回目のCTと4度目である今回のCTを比較し、「でっぱりは小さくなっていないけど、脳の腫瘍が小さくなっている部分が明らかにあります。そして、目の奥にある悪性腫瘍は一部死んでいます。」

丁寧に説明してくれる画面に釘付けになる。私の目から見ても違いがわかる。あぁ、なんてこと。

完治はしない、根治はしない。それは納得している。でもでも、やった甲斐が目の前に、明らかに証明されている。ここ最近柚の右目が赤くなっていたのはその腫瘍が死んで出血しているのかもしれないとのこと。数週間すれば落ち着くと。

うれしい。あぁ、なんて、うれしい。先生も「僕もほっとしました。」って笑ってくれる。

これだけ脳に癌が浸潤していればこんなに元気でいられないほどなのに、「すごくがんばっています」と、柚をほめてくれた。首を傾げるほど元気でいてくれていると。

あぁ、よかった、勇気を出して治療を選んでよかった。この病院に診てもらえて本当によかった。「緩和ケア、もしくは放射線」との先生の提示する選択に迷いなく「何かしてください。助けてください」と言った。あのまま時間を経過するのは、病状の進行を見ているのはもう耐えられなかった。

命の期限が少し延びただけかもしれない。命をつなぎとめただけかもしれない。でも、それが数週間ではなく、数ヶ月、もしかしたら一年以上かもしれない。

現に柚は元気である。自分の病状をまったく気にしていないかのように、ぶちゃいくになったお顔で楽しそうに生きている。

夜は温灸。「あっためようね。」

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気持ちよさそうに眠る柚。

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私と柚を取り巻く人たちに恵まれている幸せ。だから私たちがこうしていられる。私たちを病院に迎えにきてくれたり、柚を私の代わりに連れて行ってくれたり、私においしいご飯を作ってくれたり、柚においしいとんこつスープを運んでくれたり、私の代わりにお参りしてくれたり、腫瘍に効くという商品を教えてくださったり。そして会いにきてくれたり。

ぶっちゃいくな柚を見て笑ってくれたり。

一ヶ月ほど前はかわいい柚の顔が変わってしまったのが、すごく悲しかった。もうあのかわいい顔には会えないかと思うと、柚には悪いけど、本当につらかった。でも、日々の経過とともに、そんなことどうでもよくなってきた。なにより、柚が気にしてないんだもの。堂々としているんだもん。そんな変わってしまった顔が、出っ張った目も、右によってしまった形相の悪い目もかわいく思えてたまらない。

そんな形相の悪い出っ張った目に一日に何度もキスをする。とっても愛おしいから。「どうか、この腫瘍なくなれ~」って言いながらキスする。

腫瘍専門病院での治療はこれからも続くけど、今は、今現在は、この現実を素直に喜びたい。自体が好転することはきっとないけれど、この先またとんでもないくらい泣くことがあるかもしれないけれど。でも、穏やかに柚が生きながらえているという現実。決して無駄ではなかったことが証明された今日の喜びをかみしめたい。柚を褒め称えたい。


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コメント 6

チャミーママ

こんばんは
やはり柚ちゃんパワーは最強ですね!
何より一番近くでずっと暖かい愛を注いでくれているJ子さんの気持ちが伝わっているからですね!
私も毎日札幌から応援しております!
ブログはまだ行っておりません(-_^)
by チャミーママ (2015-02-06 21:04) 

J子

チャーミーママさん、
こんばんは。柚、さすがでございます。
悪性細胞を殺しちゃうって。。苦笑
札幌雪すごいでしょう。ドンだけ寒いんでしょ。
比べ物にはならないけれど、こっちも相当寒いですよ。
かぜなんかひいてたまるか精神で、まだ鼻かぜひとつひいておりませ~ん。



by J子 (2015-02-06 22:36) 

タンポポ

ビスコとタンポポも逗子から応援しております!
さすがは美魔女の柚ちゃん^^
by タンポポ (2015-02-06 22:48) 

J子

タンポポさん、
逗子も寒いですかぁ?
美魔女って言われてるよっていっときます。
旅にアートにといつも楽しそうなブログ。楽しみにしてま~す。
by J子 (2015-02-06 23:38) 

ノア&ウィルママ

ゆずちゃんの病状が良くなっていて私も嬉しいです。
なかなか会いに行けませんが応援しています!
by ノア&ウィルママ (2015-02-12 12:47) 

J子

ノア&ウィルままさん。
ありがとうございます。
ずいぶんと調子が出てきて、力強い感じです。
寒さに負けないようにがんばります!
by J子 (2015-02-14 08:32) 

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